2018年1月10日水曜日

一般社団法人日本LD学会 第25回大会 発達障害の子どもと家族 -学習・行動・心の包括的理解と支援- (2016年11月)


一般社団法人日本LD学会 第25回大会

発達障害の子どもと家族 -学習・行動・心の包括的理解と支援-

開催:国立大学法人 お茶の水女子大学 
場所:パシフィコ横浜 20161119日(土)~1120日(日)

 
一般社団法人日本LD学会 第25回大会が1119日(土)から2日間、パシフィコ横浜で開催され参加しました。
今回も全国LD親の会、ポスター展示ブースが設けられていて、おたふく会もポスター展示に参加しました。全国から15の親の会の活動内容がポスター展示され、各地の親の会での活発な活動内容に刺激を受けました。

 
今回のこの学会のテーマが、「発達障害の子どもと家族」ということで、保護者の視点を重視したシンポジウムや、家族支援などのテーマのものがいつもに比べれば多かったように思います。親の会として参加している私たちには参加したいシンポジウムがたくさんあり、どれを聞くか迷ってしまいました。しかしおたふく会の会員構成でも多くを占めている青年期以上の課題というよりは、学齢期についてのアセスメントや支援、取り組みなどが多くを占めている状況をみても、早期発見や適切な支援方法と自己対応力をつけるためにいかに早く対応していくかの重要性を感じました。

 
全国LD親の会企画シンポジウムでは「保護者との連携 ~合理的配慮をともに考える関係づくり~」というテーマで、司会はNPO法人全国LD親の会理事長の東条 裕志さん、話題提供者が、堺市立日置荘小学校通級指導教室の山田 充先生、NPO法人全国LD親の会副理事長でおたふく会員の井上 育世さん、指定討論者は宮城学院女子大学の梅田 真理先生でした。合理的配慮がテーマということで、山田先生はこのシンポジウムのために書き下ろした初公開のパワーポイントを使用して合理的配慮のテクニックというよりは、合理的配慮の考え方として、子どもへの対応のポイントの説明や、保護者への願いに対し協力をしていくことが合理的配慮の考え方そのものだというようなお話をしてくださいました。このような考え方をしてくださる学校がたくさん増えればととても期待が持てる内容でした。井上さんからは会員さんのアンケートの集計をもとに、どのような配慮を求めてどのように対応してくれたかという事例をいくつか紹介しておられました。とても良い事例から、そんなこともあるんだなぁというあまり良くない事例まで、会場の方もうなづきながら聞いておられました。合理的配慮といえば固く聞こえ、事例を蓄積しながら、テクニック上でこのようにすれば正解だという感じにとらえられがちですが、学校、保護者、そして本人たちの相互理解と協力を基本に築き上げていくことが重要なのだと感じました。

 20172月会報より)